【このスキルはゲットしておけ】ドライバーが取っておくべき資格・スキル3選

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この記事を読んでいる人たちの多くが、他の記事も読んでいよいよ「こりゃ俺も(私も)準備しておかないとダメだな」と、前向きに動き出そうとしているにちがいない。

たまたまこのページにたどりついたのであればぜひ、先に「【これだけは外したらダメ】転職のために準備しておくこと3選」のチェックをおススメする。

【ある】と【ない】では大ちがい


どんな業界にも【ある】【なし】で大きく差のできるものがある。
そう、それが資格・スキルだ。

資格はとても分かりやすい。

弁護士なら司法試験に合格することで文字どおりようやく弁護士になるための「資格」が手に入る。
医者も学校の先生もそうだ。その職業に就く(つく)ために必要な知識や技能がそなわっているかどうかを手っ取り早く示し、社会にも認められる証明書…それが資格だ。

多くの資格は、持っているだけで給料に手当がついたり、場合によってはほぼ名前を貸すだけで報酬がもらえる強力なものもある

スキルは「熟練者」の証

一方スキルは、資格をふくめて実際に仕事をする中で発揮(はっき)される技術や能力の部分をさしていることが多い。

たとえば「パソコンのキーボードはブラインドタッチできる(見ずに打てる…つまり仕事が早い)」とか「接客ができます」なども立派なスキルだ。

人を雇う(やとう)側からしてみれば「ブラインドタッチできるくらいならすぐ事務作業をたのめるな」「じゃあすぐ受付業務をお願いするか」と、即戦力(そくせんりょく)としてとても魅力的に映る。

このように資格やスキルは、転職を考えるときにはもちろん、今の職場においても昇給や待遇(たいぐう)をアップさせるために、きわめて有効なツールであると言える。

トラック乗りの【資格】【スキル】とは


それではトラックドライバーにとっての資格、スキルとは何だろうか?

資格といってまず思い浮かぶのは、やはり「運転免許」だろう。
聞くところによれば、戦後間もない頃の生まれ…80代前後の方々は、今で言うところの普通免許を当時に取っていれば、大型トラックも乗れるのだそうだ(当時はそもそも「大型」という区分がなかった)。
たしかに私の世代であっても、今で言うところの「中型」は普通免許で乗れる(平成19年6月1日までに普通免許を取得が条件)など少しややこしいところはあるが、この世代を過ぎてくると、大型はもちろん4トントラックに乗るのにも新たに免許を取らなくてはならないということだ。

このあたりについては、別の記事でくわしく話そう。

スキルについてはどうか。
ながらスマホは当たり前、前以外はまったく見ていない人、合図なしで突然の割り込み…公道ではどんな人間がハンドルをにぎっているかわからない。正直なところ、その中で事故トラブルなく走っているトラックドライバーの腕前は、それだけで立派なスキルだと思う。
しかしいかんせん、この「事故なく勤めてきた」は、本当にそうなのかを証明するのが難しく、スゴいスキルであるのに評価はされにくい。

こちらスキルについても同じくどこかの機会にくわしく説明しようと思うが、ここからはそんな資格やスキルの中でも、

・これからの転職に役立つ
・これから数年の間に高い確率で注目度がアップする

…皆さんが知りたいであろう、この2点にスポットを当てたもの3つを紹介する。

①資格【大型免許】


「いまさらの大型免許?」…そう思った方が多いだろう。
そして「いやいや、今も大型乗ってるけど給料安いし」とも。

しかしそう考えてしまったあなたは、あまりに情報不足と言わざるをえない。
…とあるデータをお見せしよう。

年齢別、種類別運転免許保有者数(令和二年)

この表は令和2年に警察庁交通局運転免許課が公表した「年齢別、種類別運転免許保有者数」。
この中の「第一種・大型」の列を見てほしい。

年代を10年単位で足して見ていくと、大型を一番持っているのは50代で約97万人。
次に多いのが40代で約89万人だが、ポイントはここから後の順位だ。

3位⇒60代・約86万人
4位⇒70代・約77万人
5位⇒30代・約39万人

…とつづく。

お気づきだろうか?

70代の77万人はさすがにすでにリタイアされている方が大部分だとは思うが、世代別人数で第3位の60代は現役の方々がまだまだ多い…そんな彼らも、これから何年かの間にどんどん引退していくことは間違いない。
逆にこれからの物流をささえていく(というかささえてもらわないと困る)30代の大型免許保有者は60代のほぼ半数

つまりリタイアしていく人たちの代わりになる新しいドライバーはまったくもって足りていないということだ。

いま世の中では「転売ヤー」などと言って、人気のあるものを買い占め、本当にそれが欲しい人に高値で転売するなんて足元を見た商売が流行っているようだが、このやり方の良し悪しはさておき、「足りないものには高値がつく」という分かりやすい現象が身近におこっている良い例だと思う。

…同じように「大型を持っている人はどんどんレアな存在になっていき」「それが運賃⇒給料の上昇につながっていく」現象がこれから起きる。これは避けられない(願ってもない)現実なのだ。

この現象はすでに2019年あたりから現れはじめていたが、コロナの流行によって経済が悪化したおかげ(?)で、それほど大きな問題にはなってこなかった。

けれどもこの記事を書いている2023年時点では、コロナもいったん落ち着きを見せ、海外からの観光客も増加し、物量に回復の兆し(きざし)も見えてきている。
こうなるといよいよ、人手不足が目に見えてくる日は近いと私は予想している。円安や原材料の値上がりなどで少し足ぶみしているところはあるものの、そんな事情とは関係なくX(エックス)デーはやってくるだろう。

必ずやってくる「世代交代」のとき

話を戻すが、世の中が大変であることとはうらはらに、今すでに大型を持っている人はこれから報(むく)われる時代がやってくる

とくに40代前半より若い人は間違いなく良い思いができるだろう。
今から大型免許を取ろうか悩んでいた方々も、その世代であれば高い費用をつぎこんでも必ずリターンがあると思って良い。

②資格【牽引(けんいん)】


牽引免許…つまりトレーラー(正確にはトレーラーを引っ張るトラクター)のこと。

これは言うまでもない、大型免許とほとんど同じ理由での「推し(おし)」ということになるが、レアさ勝負ならむしろこちらに軍配が上がる。

ここであえて2番目の紹介としたわけは、トレーラーのメリットでもある「付帯作業(ふたいさぎょう)の少なさ」を、逆に減点としたことにある
付帯作業とは、積み降ろしのときに発生する「輸送以外の」作業のことで、たとえばバラ積みバラ降ろしや、荷札を貼りつけたり、指定の場所にカゴ台車を運ぶ…などなどの部分がこれにあたる。

これら余分な付帯作業が、トレーラー仕事の場合は比較的少ないのはご存じの方も多いだろう。

「えっ?じゃあトレーラーがラクでいいじゃん」と思うところだが、これからの時代、「かせぐ」というポイントで言えば少しもったいない。…これは後で説明する。

付帯作業の少なさという目線で言えば、こちらはやや年配の方々にオススメの資格と言えるかもしれない。

技術は他の車種と一線を画するけん引免許

③スキル【付帯作業経験】


さて、↑で登場した「付帯作業」だが、このスキルが陽の目(ひのめ)を見るときがようやくやってきた。ここまで長々と説明を読んできてくれた皆さんならもうピンときているはずだ。

これから人手不足が加速していくと何が起こるか?…そう、今まで「サービスでやってきた」付帯作業に手当がつく可能性が高い

人手(トラック)が足りなくなると運賃が高くなる…これはさきほど説明したとおり。
もう少しかみくだいて言うと「運賃を上げないと運んでもらえなくなる」ということだ。

それはつまり「荷主よりも運ぶ側が有利な条件を出せる」ということにほからならない。

そう考えると、元々サービスでやっていたバラ積みだって、通常より体力や時間を使う立派な「仕事」だ。ここに価値(値段)をつけるのだってあたりまえ…ということになる。

それではいったい、いくらになるのか?イチバン気になるところだ。

あくまで目安でしかないが、その価値がどれくらいになるかは【嫌われ度】×【作業にかかる時間】…この計算式で考えるとイメージしやすいだろう。

今あなたが「運行の一部分」としてくり返しているその作業はどれだけ「嫌がられている」だろうか?

嫌われるということはおそらく「体力をつかう」「気をつかう」「頭をつかう」これらの中のどれか、または2つの組み合わせ…あるいは3つ全部が作業にふくまれている可能性が高い。
その総合ポイントとなる【嫌われ度】に、作業の単価(時間でいくらとか、ケースでいくらとか)を決め、あとはそれにかかる時間(あるいはケース数など)をかけ算すれば良い…というわけだ。

本来は「輸送」業務に含まれない付帯作業

バラ積みなどは嫌われ仕事の代表格だが、中でも雑貨で不ぞろいな段ボールものをスキマなくバラ積んでいく作業は、体力はもちろん、破損しないよう気をつかい、さらにパズルのように頭もつかっていかなければならない。
これを大型や超ロングの4トンでやると、ゆうに1時間以上かかる…さきほどの【嫌われ度】そして【かかる時間】ともに条件を十分みたしているこの作業は、今後手当がついていく可能性が一番高い部類に入るだろう。バラ積みがまんざら嫌いでもないという方は、たぶんMの資質がある(笑)と共に、これからの時代に必要とされる可能性がきわめて高い。

あなたの仕事(スキル)にある付帯作業の価値は、いったいいくらになるだろうか?

まとめ


いかがだろうか?

くり返しになるが、ドライバーたちのほとんどが、実はこれから自分が有利な立場になっていく事実に気づいていない

ただし重要なのは、世のドライバー全員が甘い汁にありつけるわけではないということ。
いくらトラックが不足しても、もし給料が上がっていくとすれば今度はドライバーが人気職になるであろうことは簡単に想像がつく。

そうなれば必ず、雇う側は「質の良い(スキルを持っている)人間だけを選んで囲いこんでいく」だろう。

押さえておくべきなのは「その日が来たときに【選ばれる】ように準備をしておく」ことだ。決して忘れないでほしい。

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